■商品紹介
???一見、普通のティーン向けドラマのようだが、その華麗かつ太陽に彩られたドラマ『The O.C.』を一度観れば、数々の驚くほどよく発現されたキャラクターやドラマの慣習をもてあそんでいるのがわかる。舞台設定は極めてハイコンセプトで、魅力的な悩めるライアン(ベンジャミン・マッケンジー)は悪の道に足を踏み入れつつあるチノ出身の善良な若者だが、弁護士サンディ・コーエン(ピーター・ギャラガー)のおかげでオレンジ・カウンティーの大邸宅や手入れの行き届いた芝生の道を悪い方へ踏み外さずに済む。やがてライアンはコーエンのプールハウスに住みはじめ、裕福だが問題を抱える娘マリッサ(ミーシャ・バートン)と関わったり、また裕福でもそうでなくてもでたらめに変わりはないのに、彼の新居に歴然とある社会的境界に憤然とするのだ。それでもどうにか彼は周囲の外面の良い連中から人間性を引出し、彼らは彼と知り合うことで成長していく。 『ビバリーヒルズ青春白書』のシナリオはもう沢山としても、『The O.C.』は最近の記憶では一番病みつきになるTVドラマであり、また考えさせられる番組となった。『メルローズ・プレイス』よりスマートで、『ビバリーヒルズ高校白書』よりセクシーで、『フェリシティ』より可笑しくて、『ドーソンズ・クリーク』ほど自己陶酔的でなく、『The O.C.』は巧妙かつ陽気な会話(パイロットエピソードはWGAにノミネートされている)と、気まぐれで常軌を逸した登場人物に溢れている。特筆すべきは、新人スターのアダム・ブローディ。彼は、ライアンの風変わりで新しもの好きの兄弟分セス役で、ティーンの憧れの対象としての地位を、ラッセル・クロウ似のマッケンジーから事実上奪い取った形だ。バートンは、悩みを抱えるマリッサ役として少々表情に欠けるが、彼女の親友でこの上なく外面のいいサマー役でレイチェル・ビルソンが笑いを誘い、完璧な脇役を演じている。そして大人たち、特に脇を固めるコーエン家のギャラガーおよびケリー・ローワンが、ドラマに円熟性をもたらしている。隔週毎に殴り合いや誰かがプールに落ちてエピソードが終わるような(時にはその両方)テレビランドの面白さを『The O.C.』が忘れ去ってしまったというのではない。本作は、罪の意識なく心から愉しめるドラマなのだ。(Mark Englehart, Amazon.com)
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