幕末機関説 いろはにほへと 巻の九 <最終巻> [DVD]
???時代が変わるときは強力なエネルギーがほとばしる。幾多の英雄が一度に現れ、同時多発的に事件が起きる。もちろん、そう見えるのは過去を振り返ったときの結果論なのかもしれない。だけど、当時のエネルギーにはかけがえのないものがある。幕末という動乱の時代を再解釈することで、エネルギーの根源とは何だったのかを理論的に探る。そんなアグレッシブな試みこそが本作の醍醐味なんじゃないだろうか。一話から坂本竜馬の暗殺などを歌舞伎風のモチーフで描くなど、現実をあえて戯画化し、アニメの世界をリアルタッチに描くことで、偽史(偽の歴史)を生み出す。世界に混沌をもたらすという「覇者の首」と、それを封印する霊剣「月涙刀」。その2つの奇跡から幕末を見つめなおす、それが「幕末機関説」。その真意とは? 1話、2話だけではすべてはわからない。大いに推理しながら楽しみたい、ありえなかった歴史のアニメなのだ。(志田英邦)