ブラスト! [DVD]
???アメフトの試合でマーチング・バンドが演奏する場面が好きならば、『ブラスト!』を気に入るはずだ。活気にあふれ、さまざまなパートがぴったりと寄り添うバンド。格好いい衣装を身につけた面々が登場するのは、黒と白のチェックが描かれたステージだ。色とりどりのスポットライトを浴び、『ストンプ』の様相さながら、思わず息をのむ演奏を見せる。
???異なるさまざまな楽曲を結びつけているのは色である。最初はラヴェルの「ボレロ」。バンドが行進し、バトントワリングを披露する、音楽、ダンス、舞台がひとつになったステージは観客を引きつける。演奏者はミュージシャンの枠を超え、踊り、歌い、演じながら、ブラスバンドとしての演奏をする。心に響くブルーの「ロス」の後は、官能的な魅力を備えたフラッグチームが登場。グリーンは、冷静かつ愛らしく表現された「シンプル・ギフト」から、コープランドの「アパラチアの春」へと続く。ブラックの世界に描かれているのは「バッテリー・バトル」。スネアドラムの音が鳴り響き、目隠しをされたドラマーがエネルギーにあふれた的確なビートをたたき出す。「メディア」では、サミュエル・バーバーの楽曲をダンスクラブのビートに乗せ、ダンスと音楽のコンビネーションで見せる。イエローのフラッグや柱が登場するのは「レモン・テクノ」。官能的な表現で描かれる。そして、その情熱のほとばしりを最も感じられるのが真っ赤な色の「マラゲーニャ」だ。
???流行に敏感な人こそ『ブラスト!』に魅了される理由が分かるというものだ。これは新しいタイプの素晴らしいパフォーマンスだ。高校でマーチングバンドに参加しているならば、真似したくなるだろう。本作品には25分のドキュメンタリー「ミュージック・イン・モーション:ザ・メイキング・オブ・ブラスト」をボーナス収録。ロンドンのウェストエンドでのパフォーマンス、ショーのコンセプトや舞台裏を紹介する。(Dana Van Nest, Amazon.com)