ナイトライダー シーズン1 コンプリートDVD-BOX
?「ひとりの力でも世の中を変えられる」とは、ある富豪が臨終に際して語った言葉だ。いかにも、何百万ドルもの資産という後ろ盾と高性能のドリーム・カーがあれば、ひとりで世界を変えられるに違いない!
?「ナイトライダー」は80年代初期に制作された最高に破天荒なTVシリーズ。見事なヘアスタイルのデビッド・ハッセルホフがスター街道を歩み始めたころの作品だ(彼の芸達者ぶりとクルクル・ヘアーは、のちの超人気ドラマ「ベイウォッチ」でも見られる)。顔面に銃弾を受けたマイケル・ロング捜査官(ハッセルホフ)はマイケル・ナイトとして生き返る。さらに、人間の言葉を話し、無敵の防御力をもつ車、K.I.T.T. (声の出演はウィリアム・ダニエルズ)と一緒に国中を駆けめぐり、犯罪を解決する――要するに、マイケルは車に乗った“ローンレンジャー”で、K.I.T.T.は白馬のシルバーと相棒トントが合体したようなものだ。気難しいお目付け役のイギリス紳士デボン・シャイアー・マイルズ(エドワード・マルヘアー)とセクシーなメカニックのボニー・バストー(パトリシア・マクファーソン)に助けられながら、ナイトとK.I.T.T.はあらゆる敵に立ち向かう。バイクに乗った暴走族や悪党一味からK.A.R.R.(K.I.T.T.と変わらぬボディやシステムをもつ邪悪な車)にいたるまで、さまざまな敵と闘うのだ。
???名作ドラマの例にもれず、「ナイトライダー」は時代を経ても色あせないどころか、ますます刺激を強めていく。80年代らしく、要所要所がことごとく派手(パイロット版でマイケルが着ているメンバーズ・オンリーの青いジャケットに注目)。ばかばかしいほどハンサムなハッセルホフも、ゲルマンのアイドルともいうべき独特なカリスマ性を発揮しながら、テレビ史上最悪のセリフを大真面目に連発している。本DVDには、第1シーズンの全21話と1991年制作のテレビ映画「新ナイトライダー2000」(これを足がかりに、新シリーズを間もなく始めようという企画もあったのだが、グレン・ラーソン監督作品と違って軽妙な味わいに乏しい仕上がりだったため、企画自体が忘れ去られた)、を収録。このDVDボックスは、決して万人受けするものではないだろう。しかし、多感な年頃に「ナイトライダー」に熱狂したファンにとっては黄金である。(Bret Fetzer, Amazon.com)