ブルー・プラネット DVD-BOX
???驚異の映像とデヴィッド・アッテンボローの朗々としたナレーションがBBC制作の大自然を主題とした、素晴らしいシリーズ『ブルー・プラネット』のハイライトだ。「THE BLUE」は巨大なシロナガスクジラの感嘆すべき、簡単には入手できない“聖杯”のような海中映像で始まる。ここからさらなる驚異が続き、海の力強さ、多様性、海と関連する生態学的な重要な影響が明らかになっていく。「FROZEN SEAS」はクジラ、セイウチ、ペンギンなど、北極圏、南極圏の厳しい環境で生きる生物を解説している。次の2つのエピソードはさらに上を行く出来だ。「OPEN OCEAN」では広大な“海の砂漠”を何千マイルにもわたって旅する。そこでは潮流が大事な役割を果たしている。様々な海中生物が食物連鎖のどこに位置するかを決定するのだ。「THE DEEP」では、カメラは最新式の潜水機器を使用して深海の平原からさらに深い位置まで降りていき、オニキンメ、発光クラゲ、透明なイカ、大きな口のフクロウナギ、目にしたこともないような恐ろしい顔のアンコウなど、変わった生物が映し出す。「SEASONAL SEAS」は生物の劇的な増加にポイントを絞っている。毎年発生する無数のプランクトンを題材に取り、顕微鏡写真術によって鮮明にその姿を捉える。「CORAL SEAS」では何マイルも広がるサンゴ礁をカメラが追い、短いCGアニメの入るサンゴ礁の奥深くの映像の他、サンゴ礁周辺でネムリブカが夢中で餌を食べ、美しいフリソデエビがヒトデと格闘している場面も捉えられる。「TIDAL SEAS」では、多くの生物が成長するのは月の引力が海に働きかけ、海水が引っぱられる時であると、明らかにされる。「COASTS」は間違いなくもっとも残酷なエピソードだが、それでも魅力がある。予想外の恐ろしいシーンは、アザラシの子どもを捕え、殺し、尾で投げる“殺し屋クジラ”の異名を持つシャチのシーンだ。生物の謎めいた本能を捉えた場面で、ベテラン海洋生物学者でも驚愕するものとなっている。『ブルー・プラネット DVD-BOX』は、あなたがこれまで目にした大自然をテーマにした作品の最高傑作と言えるだろう。比類なき自然の驚異に満ちあふれた、まったく異なる世界を訪れる特権を与えてくれる作品である。このシリーズを編集したものが、2005年に長編映画『ディープ・ブルー』となった。(Jeff Shannon, Amazon.com)