メカゴジラの逆襲 [DVD]
???ゴジラ映画には多くの科学者が登場するが、『メカゴジラの逆襲』の真船博士は、シリーズ中最も悲劇性の強い描かれ方をしている。恐竜チタノザウルスをめぐって学会を追われた真船博士は、人類への憎悪に燃える。ブラックホール第三惑星人は彼を利用してチタノザウルスで日本を襲撃、また真船の娘・桂の体内にメカゴジラのコントロール装置を組み込みサイボーグと化してしまう。ゴジラはメカゴジラを倒すが、それはイコール桂の死をも意味していた。先見性を受け入れられず孤立した科学者という真船博士のキャラクターは、第1作『ゴジラ』に登場した悲劇の科学者・芹沢を思い起こさせる。両者とも平田昭彦が演じているあたりからもクリエイターたちの意図を問いただしたくなるところだが、今となってはそれも不可能だ。初期シリーズ集結作となった本作は、本多猪四郎監督、平田昭彦が携わった最後のゴジラ映画である。(斉藤守彦)